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レース
06/13/2016

昼夜を通した戦い

伝統のル・マン 24 時間耐久レースは、長年にわたり跳ね馬の活躍の舞台となってきました
ル・マンは、世界で最も魅惑的なモーターレースです。日が沈み、ラ・サルトが闇に包まれてはじめて、どれほど困難なことかが身をもって理解できます。自動車レースの 24 時間は、気が遠くなるような長い時間です。
 
フェラーリは、激戦が繰り広げられるクラス予選において 488 GTE で感動的なリードを奪い、今週末の決勝イベントに挑みます。このニューモデルは、1990 年代初頭の F40 以来のフェラーリのターボエンジンの復活を告げるものです。フロントおよびリヤのエキストラクターのプロファイルによって車両のダウンフォースが増大し、ギアボックスは横置き、さらにサスペンションおよびブレーキは一新されています。
 
LMP1カテゴリーで参戦しないため、フェラーリの 2016 年シーズンの総合優勝は難しいかも知れませんが、ル・マンはフェラーリの数々のレース優勝の中でも最も壮大な優勝シーンの舞台となってきたことに変わりありません。事実、そのようなシーンは 9 回にもおよびます。
ルイジ・キネッティが1949年度レースを制覇しました 写真: Klemantaski Collection/ゲッティ・イメージズ 
そして、その勝利には初参戦・初優勝が含まれています。約 10 年のブランクの後にこのレースが再開された 1949 年、エンツォ・フェラーリと親交が深く、それまで 2 回の優勝を果たしていた不屈のルイジ・キネッティが、エンツォの参戦を説得しました。1949 年 6 月 25 日、2 台の 166 MM Barchetta がグリッドに並び、そ24 時間後にはキネッティがフィニッシュラインを駆けぬけました。キネッティは、その数ヶ月前にミッレミリアで優勝を獲得したのと同じ車両で、ほぼ単独で優勝を達成しました。
 
その後の勝利は 5 年後で、Ferrari 375 Plus の独断場でした。搭載された 4.9 リッター V12 エンジンは巨大なパワーを発揮し、最後のピットストップでは緊張が走ったもののホセ・フロイラン・ゴンザレス(およびコドライバーのモーリス・トランティニアン)が見事に優勝を果たしました。
 
1958 年、フェラーリのル・マンでの壮大な連勝記録が始まりました。また、この時期、ジョアッキーノ・コロンボの設計による 3.0 リッター V12 エンジンを搭載した 250 Testa Rossa も登場しました。
 オリヴィエ・ジャンドビアンとフィル・ヒルはFerrari 330 TRI/LMで18962年度レースを走りました 写真: LAT フォトグラフィック
寡黙なアメリカ人であるフィル・ヒルがオリヴィエ・ジャンドビアンとともにフェラーリでタイトルを獲得、世界中の注目を浴びました。ベルギー出身のジャンドビアンはポール・フレールをコドライバーとして 1960 年にも優勝しています。新型 250 GT SWB がクラスのトップ 4 を独占、その後を予感させました。
 
1961 年、流線型の TR/61 でジャンドビアン/ヒル組が優勝、それに 3 周遅れてウィリー・メレス/マイク・パークス組が続き、1-2 フィニッシュを達成しました。
 
1962 年、レギュレーションのさらなる変更、そして 330 TRI/LM は 4.0 リッター V12 エンジンを搭載するものの前年モデルの焼き直しであったという事実にもかかわらず、ヒルおよびジャンドビアンはこの年も優勝を果たしました。そして、これがル・マンで優勝した最後のフロントエンジンのフェラーリとなりました。以降は、ミッドシップエンジンが主流となって行きました。
1958年度レースで優勝したヒルとジャンドビアン 写真: LAT フォトグラフィック 
1963 年には、多数の 250 GTO が参戦し、330 LMB も現役で競う中、ロレンツォ・バンディーニ/ルドヴィコ・スカルフィオッティ組がドライブする 250 P が優勝しました。1964 年、フォードが GT40 を投入しますが、フェラーリがこれを打ち破りました。トップ 10 のうち 6 台がフェラーリで、優勝したのはジャン・ギシェ/ニーノ・ヴァッカレラ組の 275 P でした。
 
フェラーリの最後となる総合優勝は、1965 年のことでした。このときの車両は、かのキネッティ率いる NART チームからエントリーしたヨッヘン・リント/マステン・グレゴリー組の画期的な 250 LM でした。
 
9 回の総合優勝に加え、フェラーリは 1957 年のルシアン・ビアンキ/ジョージ・ハリス組による 2.0 リッターカテゴリーでの勝利以来、25 回のクラス優勝を果たしています。最近では、リシ・コンペティツィオーネのジャンカルロ・フィジケラ/トニ・ビランダー組が 2012 年および 2014 年の優勝に続き、ル・マンでの歴史的なクラス 3 勝目を狙っています。
今シーズン初頭の新型Ferrari 488 GTE 
今シーズンからフォードが復帰し、モータースポーツで最も激しいライバル関係が再燃しています。このアメリカのメーカーの GT モデルはきわめて優れた車両であり、シーズンを追う毎に大きなポテンシャルを見せつけています。このように、2016 年は非常にエキサイティングな年になることは間違いありません。
 
今週末にどのような展開が待ち受けていたとしても、フェラーリとル・マンは切っても切り離せない関係にあります。そして、488 GTE がこの関係をさらに強いものとするのです。