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船員を救うフェラーリのクラシック・モデル

船員を救うフェラーリのクラシック・モデル

あるフェラーリ・オーナーの驚くべき寛大さにより、人命救助のためのレガシーが残されました

Richard Aucock

フェラーリは、英国沿岸地域の中心地において大きな貢献をしました。主要な英国人フェラーリ・コレクターの一人がきわめて寛大な対応をしたことによるものです。英国のフェラーリ・オーナーズクラブで先に会長を務めていたリチャード・コルトンは、2015年に82歳で亡くなった際、同国の海上救難隊として高く評価されているRNLIに対し、フェラーリのレアなクラシック・モデル2台を残しました。彼が愛した赤のFerrari 250 GT SWB(1960年)と、シルバーでカラーリングされた、1967年製のエレガントなFerrari 275 GTB/4です。この2台は、オークションにおいて、それぞれ660万ポンドと193万ポンドという驚くべき価格を付けました。

250 GT SWBは、世界一美しい自動車であると広くみなされている1台であり、試作されたわずか10台のうち、1台が新車で英国に渡ってきました。一方、275 GTB/4は、過去最高ランクのグランド・ツアラーであると評価されているモデルであり、最も有名なオーナーとして、ハリウッドのアイコンであるスティーブ・マックイーンがいたこともしばしば話題になります。リチャード・コルトンは、この2台をレストアしており、これらでヨーロッパ中をドライブすることが自身の楽しみでした。こうしたコルトンの巨額の寄付により、王立救命艇協会(Royal National Lifeboat Institution)は、シャノン級の新しいハイテク救命艇を導入することができたのです。

この美しい Ferrari 250 GT SWB がどのようにして救命艇に様変わりしたのかを知ろうと聴衆が集まります。 写真:王立救命艇協会
この美しい Ferrari 250 GT SWB がどのようにして救命艇に様変わりしたのかを知ろうと聴衆が集まります。 写真:王立救命艇協会

この最新鋭のボートは、速力が25ノットで、その推力を従来のプロペラではなくウォータージェットによって生み出します。すでにケント州のヘイスティングスにある歴史的な港を拠点に運用を開始しています。RNLIはボランティア団体であり、危険なことで有名な英国周辺の沿岸部において、あらゆる気象条件の下、海上で危険な目に遭遇した人々を数十年にわたって救助してきました。スコットランド沖で深海トロール漁を行っていた船の乗組員や、極度に疲労してコーンウォール沖に流されたサーファーなどを救ってきたのです。

スーパーマーケットの外や参加者の多いスポーツ・イベントでボランティアの人々が募金用のバケツを揺らしているのを見てきた英国国民にとって、RNLIは称賛すべき団体であると同時に好意を抱く対象でもあります。そうした中、コルトンがフェラーリを寄付したということは、RNLIがこれまでにないほどの記録的な金額を受け取ったことになるのです。へイスティングスのRNLIは、感謝の気持ちから船を「Richard and Caroline Colton」と命名し、一人のフェラリスタとその妻に敬意を払いました。新しい救命艇の進水およびリカバリーに関する装備の名称も、慈善活動を長年支援していたリチャード、そして彼の亡くなった息子マークにちなんで名づけられました。

 

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