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写真: Dennis Noten

テーラーメイドの数々の夢

ベルギーのフェラーリ・オーナー達は、テーラーメイドに熱心です。デニムのインテリアから、サドル・レザーのシートまで、彼らはプログラムの最高クラスの「アンバサダー」です。

Sylvain Reisser

ほとんどの人々にとって、フェラーリを所有すれば人生の夢が叶ったことになりますが、さらに一歩その先に踏み出したいという人々も多くいます。夢見たマシンに自分のスタンプを押したいと願うのです。このような筋金入りのフェラリスティにとって、テーラーメイド・プログラムが用意されています。これは、1950年代にマラネッロで始まった、生産された車両がそれぞれ唯一無なものとするために車両を「あつらえる」という伝統を継ぐものです。フェラーリ・ブランドの安全性および品質の高い基準を満たしているという条件と、フェラーリ・ブランドの伝統と名声を尊重するという条件さえ満たせば、ほぼあらゆることが可能です。

ホイール・リムの黄色と白のストライプがこの Ferrari 458 Speciale A の特徴です。 写真: Dennis Noten
ホイール・リムの黄色と白のストライプがこの Ferrari 458 Speciale A の特徴です。 写真: Dennis Noten

テーラーメイドのモデルは、特にベルギーのお客様に人気です。事実、ブリュッセルのフェラーリ・フランコルシャン・モーターズおよびルクセンブルクのフランコルシャン・モーターズのサービス拠点のステファン・セルトン社長は、自分の顧客はこのプログラムの世界最高クラスの「アンバサダー」であり、彼らが愛車を潜在顧客に見せて、自らのチョイスについて説明したり、プログラムでの体験を語ったりしてくれている、と述べています。

セルトン氏は、488 Pista、488 Pista Spiderや、一部のV12シリーズについて、極端に需要が高いモデルもあると説明します。「ブリュッセルのディーラーが納車した488 Pista Spiderの2台に1台以上が、2011年の発足以降、40モデル以上を手がけているテーラーメイド・プログラムに託されています」。

上: 'intrecciato'の職人技を施した Ferrari Portofino。 下: 1951年の Ferrari 212 Inter を思わせる 488 Spider。 写真: Dennis Noten
上: 'intrecciato'の職人技を施した Ferrari Portofino。 下: 1951年の Ferrari 212 Inter を思わせる 488 Spider。 写真: Dennis Noten

このパーソナライゼーションへの情熱は、何一つとして運任せにするようなことはありません。フェラーリ・ファミリーの親戚として、セルトン氏は、テーラーメイド・コミュニティを創設し、定期的にミーティングを開催、そのメンバーの数は増え続けています。年に2~3回、彼のブリュッセルのディーラーは、このスペシャル・プログラム関連のイベントを開催しています。参加者は30~50名に上り、テーラーメイドの顧客がこのコミュニティへの参加を検討している熱烈なファン達と体験を共有します。

このような催しに加え、さらに限定的な会合も開かれています。年4回、10名限定でカップルおよび少人数のグループのために晩餐会が開かれ、アワードを受賞したシェフの料理が振る舞われます。ここでは、テーラーメイド・アンバサダーとカスタマイゼーションの道を歩き出そうとしている人達が交流します。セルトン氏は、ディーラーに1台か2台のテーラーメイド車両を展示して、カスタマイゼーション・カタログの膨大なオプションから顧客が選択する上での手がかりとして役立てています。場合によっては、クライアントの車両を貸して貰えるよう依頼することもあるそうです。これまで、それを断った人はいません。

この GTC4Lusso テーラーメイド・モデルのステアリングホイールはイタリア国旗のカラーを装っています。 写真: Dennis Noten
この GTC4Lusso テーラーメイド・モデルのステアリングホイールはイタリア国旗のカラーを装っています。 写真: Dennis Noten

彼は、「お客様は、ご自分の作品を披露し、情熱を共有することにつねに誇りを感じています」と、所見を述べます。「私達は、いち早く458 Spiderのデニム仕様のインテリアを受注することができて本当に幸運でした。私達は、それを多くのファンに紹介しました。そのたびに、時間の経過に伴うデニム生地のエイジングの様子をチェックすることができるのです」。もちろん、あらゆることが許されている訳ではありません。フェラーリは、品質や寿命に関連する基準を満たさない素材は許可しません。

たとえば、数年前、リーバ社のモーターボートに惚れ込んだお客様が、イタリアの小型艇に採用されているのと同じ木材のパネルをフェラーリのフロアに貼りたいと希望されました。当時、それは安全上の理由から不可能でした。事故が発生した場合に、フロアが破損して乗員が負傷する恐れがあったためです。「しかし、その後、テーラーメイド部門のエキスパート達が、衝撃で割れないファイバー素材のサプライヤーを見つけ、最終的にこのお客様のご要望に応えることができました」と、セルトン氏が振り返ります。

リア・スポイラーに白のストライプ持つ 458 Speciale A。2007年F1シーズンを勝利した F2007 へのもうひとつのトリビュートです。写真: Dennis Noten
リア・スポイラーに白のストライプ持つ 458 Speciale A。2007年F1シーズンを勝利した F2007 へのもうひとつのトリビュートです。写真: Dennis Noten

それぞれのプロジェクトが独自のもので、車両のオーナーを中心にデザインされます。このプログラムへの参加者は、マラネッロで開催されるカスタマイゼーションのワークショップに招待され、そこでオプションを最終決定します。カラーチャート、シートのオプション、インテリア素材のオプションが用意されていることは、数千通りの組み合わせが可能であることを意味します。

要望は途絶えることなく、セルトン氏は忙しく立ち回ることに喜びを感じています。「私達の次のテーラーメイド・プロジェクトのモデルは、ル・マン24時間レースにも15回参戦した「ベウリース」として知られるベルギー人ジェントルマン・ドライバーのジョーン・ブラトンがレースで使ったフェラーリのカラーに塗装されます」と、彼は続けます。熱烈なファンへのメッセージは明白です。「イマジネーションを解き放ってください」ということです。

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