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F8 Tributoクーペと連携して開発された F8 Spider は最大限のドライビングパフォーマンスを堪能できます。

風に乗る

Ferrari F8 Spiderは、妥協なきドライビングプレジャーをもたらすとともに、そのレーシングサウンドがアドレナリンを放出させます。

クリス・リース

フェラーリのモデル・レンジがロジカルな進化を果たしたように見えるかもしれませんが、新型Ferrari F8 Spiderには、きわめて魅力的な何かが存在します。1977年に登場して人々を感動させた308 GTS、このモデルの血統を受け継いでいる最新のオープンV8フェラーリは、488 Pista Spiderほどスポーティではないものの、488 Spiderを上回るだけのスポーツ性を身に着けた1台です。F8プログラムの開始直後から計画した通り、このモデルの開発はF8 Tributoクーペの開発と連携していました。

「V8ミッドシップのスパイダーは、フェラーリのラインナップを支えるひとつの柱であり続けています」と、チーフ・マーケティング&コマーシャル・オフィサーを務めるエンリコ・ガリエラは説明します。「このニューモデルは、クーペの後にスパイダーを登場させるという、フェラーリの伝統をそのまま受け継いだ1台になります。このスパイダーがターゲットにしているのは、ミッドリヤ・エンジンレイアウトがもたらす究極のパフォーマンスと妥協のないドライビングプレジャーを追求しながらも、オープントップでの走行体験をとりわけ重視するという、異なるタイプのお客様です」。

エキゾーストシステムからの卓越したサウンドは、オープントップで路上を走行する際に最大限にお楽しみいただけます。 写真:Richard Pardon
エキゾーストシステムからの卓越したサウンドは、オープントップで路上を走行する際に最大限にお楽しみいただけます。 写真:Richard Pardon

新型Ferrari 812 GTSの場合と同様、ドライバーはエンジンの存在をよりダイレクトに体験することができます。そして、F8の場合、搭載されるそのエンジンは非常に優れた性能を誇ります。3.9リッターのV8ツインターボエンジンは、F8 Tributoと共通のものであり、720cvの最高出力は、クラスの中で他を大きくリードしています。今年、このエンジンはインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーを4年連続で獲得していて、昨年は過去20年の中で最も優れたエンジンに与えられるベスト・オブ・ザ・ベストを受賞しています。こうしたエンジニアリングの名作が、新型F8 Spiderに搭載されているのです。

エキゾーストシステムからの卓越したサウンドは、採用されている革新的なシステムによってキャビンのすぐ近くまで伝達されます。この新型F8 Spiderは、ピュアなドライビングパフォーマンスが大きな特徴です。812 GTSのV12エンジンは、高回転域で刺激的な体験を提供するのに対し、F8 SpiderのV8ターボは、瞬時に爆発的な力を生み出す点が特徴です。つまり、ターボラグを感じることのない究極の加速が味わえるのです。これは、アクセルを踏み込んだ瞬間から、最大限のパフォーマンスを引き出せるいうことにほかなりません。ノンターボエンジンに期待するようなキビキビとしたレスポンスを示すだけでなく、ターボならではの深い感動を呼び起こすトルクが全回転域で生み出されます。

左上から:エンジンルーバー、14秒のルーフ開閉、フロント・スポイラー、20インチホイール 写真:Richard Pardon
左上から:エンジンルーバー、14秒のルーフ開閉、フロント・スポイラー、20インチホイール 写真:Richard Pardon

リトラクタブル・ハードトップに関連し、フェラーリの開発チームは、空気音響面の快適性やルーフのメカニズムに関した問題に悩まされることはありませんでした。どちらの重要なポイントについても、システムの開発ベースとなった先代の488 Spiderにおいて、すでに十分な対策が講じられていたからです。「私たちは、高度に熟成させたこのルーフをF8 Spiderに用いることについて、まったく異存はありませんでした。ニューモデルへの採用にあたっては、入念な調整作業を行っています」と、チーフ・テクニカル・オフィサーを務めるミハエル・ライタスが語っています。

この電動リトラクタブル・ハードトップは、オープンカーに採用されているものとしては、開閉に要する時間が最も短いシステムのひとつであって、その所要時間はわずか14秒です。また、速度が45km/hまでであれば走行中でも操作が可能です。ルーフを開くと、調整可能なウインドストップによって乗員は風の巻き込みから保護されます。F8 Spiderの車両重量はF8 Tributoの重量を70kg程度上回りますが、これによってパフォーマンスが大きく影響を受けることはありません。

クーペでもスパイダーでも、720馬力のV8エンジンは強烈な体験を提供します。 写真:Richard Pardon
クーペでもスパイダーでも、720馬力のV8エンジンは強烈な体験を提供します。 写真:Richard Pardon

最高速度が同一であることもあり、オープンでもクローズでも、満足できる体験が同じように得られます。ただし、F8 Tributoの場合よりも、特にカーボンファイバー製のパーツが豊富に用意されていていることから、Spiderの方がカスタマイズの可能性に広がりがあります。

たとえばF8 Spiderに対しては、カーボンファイバー製のエンジンカバーやトノカバーが用意されています。こうした点も、F8 Spiderがフェラーリのラインナップの中でユニークな存在感を放っていると感じられる理由のひとつになっているのです。

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