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Ferrari F40のための祭典

Ferrari F40のための祭典

1992年、フェラーリはF40のオーナーに向けて特別なイベントを企画しました。現在、当時の写真は歴史的な資料の一部となっています…

Richard Aucock

1992年には、Ferrari F40の生産が終了に近づいていました。フェラーリの40周年を祝うために製造されたこのアイコニックなスーパーカーは、5年間で1,300台以上が製造され、素晴らしい成功を収めました。伝説的なフェラーリ・モデルであるF40は、世界中、特にヨーロッパで人気を博したモデルであり、 ドイツでの人気がことのほか絶大でした。そのため、1992年の夏には、フェラーリ・ドイツとドイツの公式フェラーリ・オーナーズクラブのサポートにより、特別イベントの開催が決定したのです。F40のために開催され、ドイツ国内のオーナーがイタリアに招待されたこのイベントは、歴史に残るドライビングツアーとなりました。イベントの開催日は6月11日-14日でした。マラネッロのフィオラノテストサーキット、そしてムジェロサーキットでの周回走行は、参加者にとって思い出に残る経験となったことでしょう。

 

当時、サーキット走行は現在ほど一般的に行われるものではなかったため、フェラーリの神聖なターフ上や、クイックなステアリング操作が求められる難易度の高いムジェロサーキットを走行できるということは、きわめて魅力的なことでした。このイベントに参加したオーナーの数は68名。エントリーしたF40は、1台を除くすべてがレッドで、 例外となった1台は 珍しいブラックモデルでした。
参加した人々がイベント全体を通して信じ難いほどの興奮に包まれていたなど、 その場の状況は、かつて目にしたことのないものでした。ツアーでは、主要な場所で参加者の集合写真を撮る時間が設けられました。多数のFerrari F40を一堂に集めて撮影できる、きわめて数少ないチャンスであったことから、主催者がそれを見逃すことはありませんでした。これらの写真は、現在でもフェラーリの伝説を物語るものとして、F40アーカイブの至宝となっています。

何台ものFerrari F40 オーナーたちが忘れられない記念写真のために並んだのは1992年のことでした。あなたはそこにいらっしゃいましたか?
何台ものFerrari F40 オーナーたちが忘れられない記念写真のために並んだのは1992年のことでした。あなたはそこにいらっしゃいましたか?

ムジェロのセッションは雨の中で行われました。その状況は写真からも明らかです。しかし、雨の降っていることがサーキット走行の楽しみを妨げることにはなりませんでした。オーナーと主催者は、雨が降る中、すべての車が整列し、完璧な位置につくのを根気よく待ちました。これが普通の写真撮影ではないことを全員が自覚していたのです。ムジェロでの写真撮影は、ピットレーンとサーキットの両方で行われました。至近距離で縦横3台ずつ並んだ車両を一定の速度で走らせるという見事なスキルをオーナーたちが披露すると、フォトグラファーはそれを写真に収めています。このほかにも、あまり見かけることのない、さらに壮観な写真があります。2列に長く並べられたF40の先頭に、フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼーモロが立っている写真です。ピエロ・フェラーリとともにイベントの特別ゲストだった 彼は、F40でラリーに出場した経験があります。

 

参加者らは、サーキットでのセッションの合間にイタリアの美しい田園地帯を何マイルも走行しました。雨が弱まり、6月ならではの素晴しい天候になると、観衆たちは、何十台ものFerrari F40が一団になって走行する圧倒的な光景に驚嘆しました。一行が訪れたすべての街では交通がストップしました。今もなお、幸運な参加者たちは、その場にいたことを誇らしげに話します。それはフェラーリだからこそ味わうことのできた体験であったと言えます。熱心なオーナーたちと忍耐強いフォトグラファーに支えられたこのイベントは、フェラーリの歴史の一部として永遠に語り継がれていくことでしょう。

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